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名古屋入管で殺害されたウィシュマ・サンダマリさん(33)の遺族に開示された黒塗り15.113枚の資料の闇の巻 [社会派]

名古屋入管に収容中死亡したスリランカ人女性の
ウィシュマ・サンダマリさん(33)の問題について、
遺族にのみ開示された監視カメラの映像の全容がわかった。

そこに映し出されていたのは、日々衰弱しながらも
生きようとしたウィシュマさんの姿と入管職員の人権を
蹂躙する非人道的な行為だった。

ともに映像を見た従姉妹マンジャリさんに
映像の詳細を時系列で聞いた。
3月1日午後9時32分から37分の5分間。

職員2人が部屋にいてベッドに座っている
ウィシュマさんに薬を渡す。「喉の奥まで薬を入れてね」と
職員が言うが、ウィシュマさんは水を飲んだら
嘔吐してしまう。

そのあとウィシュマさんが「コーヒー」と言って、
職員が紙パックのカフェオレを渡す。
職員がウィシュマさんの嘔吐のあとを拭こうとすると、
ウィシュマさんがカフェオレを吹き出し、
それを見た職員が「鼻から牛乳や」と言って笑った。
ウィシュマさんは「コーヒーだけ飲める」と語って
映像は終わった。

この映像を見ながら入管庁の職員は
「これは日本のジョークです。ウィシュマさんと
仲良くするための」と遺族らに説明した。

これに対してポールニマさんが怒り
「こういう状況で冗談を言うのか」と言うと
職員は黙り込んだ。

この頃になるとワヨミさんはずっと泣いていた。
3月2日午後6時45分から47分の2分間。

ベッドに寝ているウィシュマさんを職員が動かそうとして、
服や手を引っ張るとウィシュマさんは大声で「痛い」と
訴える。
職員は「自分で身体を動かさないから、痛いのはしょうがない」
「食べて寝るだけだから身体が重くなる」と嘲るように言う。
なぜ身体を動かそうとしたのか説明はない。

3月3日午後4時58分から5時10分の12分間。

部屋には職員1人と白衣を着た看護師がいる。
ウィシュマさんはベッドに寝ていて、
「まるで遺体のように動かない」(マンジャリさん)。
看護師は体温と血圧を測り、いろいろ話しながら
ウィシュマさんの手のマッサージをする。

看護師はウィシュマさんに手を握ったり広げたり
するように言うが、ウィシュマさんは出来ない。
さらに看護師はウィシュマさんの腕を上げ下げするが、
大きな声で痛がる。看護師は「明日先生に会うから症状を
全部言うように。ご飯を食べられない、歩けない、
耳鳴りがする、頭の中が工場みたい(幻覚をみる)」
と言うと、ウィシュマさんは「死にたい」と言う。

看護師は「日本人の金持ちの恋人を探して結婚して
幸せになるんじゃないの」と言う。

そのあとも看護師は4、5回「明日先生に症状を言うように」
と繰り返した。ウィシュマさんが「目も見えない」というと
「それも言ってね」というだけだった。

この映像を見ながらワヨミさんの夫が
「この人は本当に看護師なのか。こんなに衰弱している
人になぜ腕を上げ下げさせるのか」と訝しがった。

これに対して佐々木聖子入管庁長官は
「この人は週5回入管に来る看護師だ」と答えた。

この後「時間もかかったので休憩しましょう」となり、
遺族は休憩室に移ったがワヨミさんが大声で泣きだし
嘔吐した。そこで「これ以上映像を見るのはやめよう」と、
代理人の指宿昭一弁護士と相談して、
映像を続けてみることを中止した。

これが12日遺族に開示された映像の全容とその日の遺族の姿だ。

黒塗りの1万5千枚の文書が意味するものは
最後の映像から3日後、ウィシュマさんは死亡した。
入管庁の公開した最終報告書には、死因の特定は
困難だとしている。

遺族の代理人の弁護士団は、収容中の状況をさらに
詳しく調べるため名古屋入管に対して
行政文書の開示請求を行った。

しかし名古屋入管から送られてきたのは
ほぼ黒塗りの約1万5千枚の文書だった。

筆者はこれまでの取材を振り返りながら、
入管庁や名古屋入管の職員はなぜ人命を蔑ろにし、
人の尊厳を踏みにじる行為を平気で行えるように
なったのだろうと考えた。

遺族の代理人の1人である駒井知会弁護士はこう語る。

「東京入管に朝行くと、割とお洒落な服を着た
沢山の若者たちが奥の入口に吸い込まれていくのを見ます。
若者たちは建物の職員控え室で入管の紺の制服に
着替えるのでしょう。若い彼ら、彼女らが誇りを持って
職場に向かえる日が来るためにも私たちは戦いたいです」

すべての映像を公開し入管制度の国民的議論を
いまの入管制度と組織が変わらない限り、
ウィシュマさんのような悲劇は必ず繰り返されるだろう。
そしてこの人権を無視し、非人道的な行為に
加担させられるのは日本の前途ある若者なのだ。

国連も問題視する非人道的な入管制度が抜本から
変わらぬ限り、日本という国に未来はこない。

                  引用元 フジテレビ
ウィシュマ・サンダマリ.jpg

日本は
怖ろしい国になった。


戦前、戦後…なにひとつ変わってはいない。

見よ、この15.113枚に渡る黒塗りされた入管開示資料。
遺族、弁護士側に請求された費用は約16万円。

なにひとつ肝心な部分が公開されないこの資料の山。
これが「情報開示」と言えるのか。

赤木ファイル問題といい、この国は自分たちに都合の
悪いことはすべて隠蔽できる仕組みになっている。
「個人に関する情報は守られる必要」があるという
前提、詭弁の名のもとで。

医療過誤、医療裁判などでも、診療記録の開示を遺族が
請求し、裁判に挑むがほとんど勝訴する事が出来ないという。

これは当然ではないか?。

診療記録を作っているのは戦うべき相手の病院だ。
診療記録を開示するのもまた、
遺族側が戦うべき相手の病院である。

誰が自分たちに都合の悪い事柄を遺族に開示するであろう。

この程度でいちいち訴えられて、病院側が敗訴すれば
医療制度の崩壊である。医療従事者は負けてはならない。

残念ながら、多くの医療従事者の意識である。
なので、病院は医者をかばう、医者は医者をかばう。
看護師は自分の立場がかわいい。口を出さない。

真実は永遠に公になることはない。

国に、病院に、情報開示を求めたところで、
本当の真実が明らかになる事はないのだ。

遺族はこの重荷を一生、背負い続けて生きて行かねばならない。
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